【消費税】ローン繰上返済手数料は課税対象か

2019年01月23日

税法相談事例

 ローンを全額繰上返済した場合、手数料を取られることがあります。この手数料は、(1)繰上返済した額に違約金率を乗じて計算する場合や(2)繰上返済した額に関わらず一定金額である場合があります。

 今回は、この手数料に消費税がかかるのかご紹介します。

ローンを全額繰上返済した場合に取られる手数料は、消費税の課税対象となりますか。
 手数料の名目は問わず、繰上返済した額に一定率を乗じて手数料を計算する場合、逸失利益を補てんするために受け取る損害賠償金としての性格を有しますので、課税の対象となりません。

 なお、繰上弁済をしたことにより徴収する金銭が一件当たり幾ら(定額)となっているものは、解約手数料を対価とする役務の提供に該当し、課税の対象となります。

 実際に金融機関のS行も2010年10月まで、繰上返済した額に一定率を乗じて計算した手数料に消費税をかけて、債務者に請求していた誤りが発覚し、消費税相当額を返金することになった事例もあります。