【法人税】不動産会社の仲介手数料の売上計上時期

2017年08月09日

税法相談事例

 不動産の売買を行う際、不動産会社が仲介し、売主・買主は仲介手数料を支払います。

 不動産会社は受け取る仲介手数料を売上として計上します。

 仲介手数料は、一般的には契約時に50%、売買代金の決済時に残り50%を受け取ります。

 今回の相談は、契約時に100%の仲介手数料を売上計上(うち50%相当は売掛金として処理)しなければならないかという内容です。

仲介手数料の売上計上時期ですが、下記の3つの会計処理が考えられますが、税務上どの処理が認められるでしょうか。当社としては、役務提供が完了した「決済時」に売上を計上する(案3)がいいのですが。
(案1)契約時  現 金100/売 上200 
         売掛金100/

(案2)契約時  現 金100/売 上100
    決済時  現 金100/売 上100

(案3)契約時  現 金100/前受金100
    決済時  現 金100/売 上200
         前受金100/

 仲介手数料の収益計上時期については、下記の通達で取扱いが定められています。
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法基通2-1-11(不動産の仲介あっせん報酬の帰属の時期)
 土地、建物等の売買、交換又は賃貸借(以下2-1-11において「売買等」という。)の仲介又はあっせんをしたことにより受ける報酬の額は、原則としてその売買等に係る契約の効力が発生した日の属する事業年度の益金の額に算入する。ただし、法人が、売買又は交換の仲介又はあっせんをしたことにより受ける報酬の額について、継続して当該契約に係る取引の完了した日(同日前に実際に収受した金額があるときは、当該金額についてはその収受した日)の属する事業年度の益金の額に算入しているときは、これを認める。
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 原則は、売買契約日(=契約効力発生日)に売上に計上します。会計処理は(案1)です。

 特例として、決済時に売上計上することも認められています。したがって(案2)の会計処理も認められます。ただし、決済日前に受け取った金額はその受け取った日に売上計上しなければならないため、(案3)の会計処理(前受金)処理は認められません。