【所得税】ビットコインが分裂したときの課税関係

2017年12月03日

税法相談事例

 平成29年12月1日、国税庁よりビットコインなどの仮想通貨の課税関係に関するQ&Aが公表されました。

 仮想通貨を売却したときの売却益に対しては雑所得として総合課税の対象になること、譲渡損失が生じたときは給与所得等と損益通算はできない(損失の繰越控除もできない)ことは以前に周知されていましたが、今回は下記のケースの取扱いについても明らかになりました。
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1 仮想通貨の売却
2 仮想通貨での商品購入
3 仮想通貨との交換
4 仮想通貨の取得価額
5 仮想通貨の分裂(岐)
6 仮想通貨に関する所得の区分
7 損失の取扱い
8 仮想通貨の証拠金取引
9 仮想通貨のマイニング
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 このなかで仮想通貨が分裂したときの課税関係が特に新しい情報です。

ビットコインが分裂し、ビットコインキャッシュやビットコインゴールドが付与された場合、所得税の課税対象になりますか
 所得税法上、経済的価値のあるものを取得した場合には、その取得時点における時価を基にして所得金額を計算します。
 しかしながら、ご質問の仮想通貨の分裂(分岐)に伴い取得した新たな仮想通貨については、分裂(分岐)時点において取引相場が存しておらず、同時点においては価値を有していなかったと考えられます。
 したがって、その取得時点では所得が生じず、その新たな仮想通貨を売却又は使用した時点において所得が生じることとなります。なお、その場合の取得価額は0円となります。

 つまり、ビットコインから分裂したビットコインキャッシュやビットコインゴールドが付与された時点では所得税の課税対象にはなりませんが、ビットコインキャッシュやビットコインゴールドを売却した際、その譲渡益に対して雑所得として所得税が課税されます。この売却益の計算では、取得価額はゼロとなるため、ビットコインキャッシュやビットコインゴールドの売却価額=売却益となります。