平成26年度税制改正で「私募債」を使った節税対策が規制されました。

 私募債を使った節税対策とは、会社が社長から借りている借入金がある場合、会社が私募債という社債を社長に発行し、借入金を私募債という社債に形を変えます。資金移動することもなく、非常に簡単に借入金から私募債に切り替えることができます。

借入金から私募債に切り替えることでどのくらいの節税効果がありますか。
 たとえば、借入金1億円、年利2%のものを私募債1億円、年利2%に切り替えた場合、
 ●借入金1億円の場合
 (1)社長に支払う利息 1億円×2%=200万円(総合課税)
 (2)上記利息に対する所得税、住民税 200万円×55%(最高税率の場合)=110万円

 ●私募債1億円の場合 
 (1)社長に支払う利息 1億円×2%=200万円(源泉分離課税)
 (2)上記利息に対する所得税、住民税 200万円×20.315%(所得税15.315%、住民税5%)=40万円

 このように総合課税と分離課税の違いから、私募債として利息を支払うことで所得税・住民税が70万円節税できます。会社が支払う利息はいずれも経費計上でき、法人税も節税できます。

 平成26年度税制改正で改正前に発行した私募債であっても、平成28年1月以降、同族会社が発行した私募債の利子でその同族会社の役員が支払いを受けるものは「総合課税」の対象とすることとされ、節税対策が規制されてしまいました。

私募債の利子に係る道府県民税の改正点を教えて下さい。
 平成25年度税制改正により、平成28年1月以降、利子割が課税される「利子等」の範囲と、配当割が課税される「特定配当等」の範囲が改正されました。
 
 ●平成27年12月31日以前に発行した私募債
  ⇒ 「特定公社債の利子」として「配当割(5%)」として源泉徴収します。納入先は、利子の支払を受ける個人の住所地の道府県に改正されました。

 ●平成28年1月1日以後に発行した私募債
  ⇒ 「一般公社債の利子」として「利子割(5%)」として源泉徴収します。納入先は、利子の支払を行う会社の営業所所在地の道府県です。

 このように、平成27年以前に発行した私募債は、税率5%と変更ありませんが、「配当割」として、かつ、利子の支払を受ける個人の住所地の道府県に納入する点に注意が必要です。